はじめに
Unityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2020、21日目の記事です。
adventar.org
内容
ウミガメのスープと、その煮込み方についてです。
ウミガメのスープってなに?
調べると無限にいろんな説明が出てくると思いますが、ここでは
「省略された文脈を質問で埋め、真相を掘っていくゲーム」です。
例題(自作過去問)
弟は,いつまで経っても兄に追いつかない.
しかし,歩んだ価値は一緒だ.
補完してください
実際どうすすめるの?
回答者は、YesNoで答えられる質問をしていきます。
サンプルとしての進行を載せてみます。
- 歩んだ、というのは物理的な移動をともないますか?
- Yes
- 追いつかない、というのは、誰から見ても追いついていませんか?
- Yesといって差し支えないです
- 二人は双子ですか?
- No
- 二人の性別は重要ですか?
- No、ミスリード注意です
- 二人は人間ですか?
- No、人間ではありません。良い質問です
- 二人は生き物ですか?
- No!良い質問です
- 二人は同じ種類のものですか?
- 現状だとミスリードになるので答えづらいですが、一応Noです
- 追いつかない状況が変わることはありますか?
- No
- 兄弟的な表現はあくまでも比喩ですか?
- Yes
- 2つのものは競争をしていますか?
- No
- 2つのものを、我々は日常的に目にすることがありますか?
- Yesといって差し支えないです
- 時計ですか?
- Yes!まとめて頂いたら解説に行きます
解説
兄弟は,時計の短針と長針.
短針が長針に追いつくことはないが,その刻んだ時間は同じである.
つまり?
いろんな種類がありますが、この問題は
問題文から意図的に隠されている情報があるタイプです。
どうやって作るの?
本題です。スープの煮込み方、Kako編です。過去編っぽくて燃えますね。TOP大好き。
- 情報を欠如させるパターン
すでにある話やものから、情報をわざとへらす、というだけで結構かんたんに問題が作れます。
十二支の話や、故事成語のもとの話、昔話などはこれがしやすいです。
矛盾の話を例とすると
【問題】
敏腕の営業マン、自慢の商品を売っていたが、それが自慢の商品なせいで恥をかいてしまった上に、売れもしなかった
など。
- 比喩表現をそのままにして、比喩先の世界に置き換えちゃうパターン
今回の例題がまさにそうですが、時計の長針、短針を、兄弟として比喩、比喩であるとばれないように文章をつくります。
他にも
「くそ……もうだめだ……!やつと組めばBigになれるって思ってたのに、そうでもないし、もう二度とここから出られない……出してくれ……!」
彼は誰でしょう?
など。
ちなみに、国の中の玉の字です。玉より国のほうが規模はでかいけど、物理的な文字としてのサイズはあまり変わりません。やつは口の字です。
- 現実の出来事をそのまま問題にするパターン
なぞなぞがそうですが、現実にもいろいろ題材があります。
比喩のものと組み合わせると、こんな問題が作れます。
彼は、虐げられ、地面に押し付けられ、体を痛めつけられ……散々な扱いを受け、周りの人はそれで満足する。なんなら、みんなが、彼はそうされるべきだ、と思っている
補完してください
など。
ちなみに雑巾のことです。
- 雑学を取り入れるパターン
ちょっと批判されうるパターンなのですが、一般的には知られていないが、なんとか予想できるかな、と判断したことを問題にする、というのもあります。
ひどい例を書きますが、
彼は、食べ物だ。彼は、島だ。彼は、人だ。
など。
サンドウィッチです。サンドウィッチさんはクック船長とかの文脈の人で、その名前が諸島の名前になっていたり、食べ物の名前になっていたりしますね。
あまりにも知識ベースで、質問しようがない問題、というのは結構生まれがちなので、要注意です。
一般的に知られているか怪しいものは、題材にしないのがベターなのかなー、と思ったりしています。人魚姫伝説とか、ロミジュリのオチとか、オイディプス王(スフィンクス)とか。
この題材も、一人の人物のたどった伝説とか、そういったアプローチをすればまだ問題になり得るかも?
- 物語を作るパターン
シナリオを作り、問題を作るパターンです。
ある男が、海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
そのスープを一口飲んだ男は、シェフに「これは、本当にウミガメのスープなのか?」と訊ねた。
返事は「はい、ウミガメのスープに間違いありません」
得心した男は、勘定を済ませ、帰宅。その後、自殺した。
なぜ?